事業承継問題と当事業所の決意

今回の記事は、当事務所の決意表明でもあります。
皆様、よろしくお願いいたします。

最近の事業承継を取り巻く環境

最近創業したばかりだとしても事業を継続し続けると、いずれは事業承継という問題が生じます。
では、現在の事業承継に関する外部環境はどうなっているのでしょうか?

下図は、年齢別に見た中小企業の経営者年齢の分布(出典:2018年版の中小企業白書)です。
最も60代後半の割合が高いですね。

 

下図は、規模別・事業承継時期別の平均引退年齢の推移(出典:2013年版の中小企業白書)です。
小規模事業者で70.5歳、中規模企業でも67.7歳となっています。

 

下図は、社長の年齢別に見た、後継者の決定状況(出典:2018年版の中小企業白書)です。
60~80歳以上の範囲で、34.2~53.1%もの企業が後継者未決定という状況です。

 

統計結果から、後継者の確保には3~5年、後継者教育には5~10年はかかるといわれています。
こういった状況から、国はここ5年間を事業承継の集中期間として様々な施策を打ち出してきています。

“事業”の承継

下図は、事業承継の構成(出典:2017年版の中小企業白書)です。

 

以前の事業承継の支援は、”資産の承継”といわれる部分がクローズアップされていました。
資産の承継”は、税金の節税など直接お金が発生しやすく、さらに目に見えやすい特徴があります。
このためか、株式や税務、不動産などに関わる関係者や、これらに付随する法務の関係者たちが市場を形成した結果、ながらく「資産の承継=事業の承継」と思われてきました。

しかし、最近では、より”事業”に近い部分である”人(経営)の承継”や”知的資産の承継”についてクローズアップされてきています。
事業とは人が行うものです
そして人がもつ、考え方、技術力・ノウハウ、仕組み、人脈などが、企業の収益や競争力を生み出す源泉です。
お金、土地・建物・設備などの資産だけを承継したとしても、事業がうまくまわるわけがありません。

私たち中小企業診断士は幅広い知識を持つ経営コンサルタントであり、”人(経営)の承継”や”知的資産の承継”などについて、知識・能力的に様々なサポートができます。
企業の強み・弱みの発見、経営課題の発見と目的の設定、事業計画の作成、事業計画を一緒に取り組んでいくなどに加え、経営者教育のお手伝いもすることができます。
実務的には独占業務の壁はあるものの、法務、財務会計などの知識も有しています。
また、中小企業向けの施策などにも通じており、必要に応じて、事業承継を有利に進めるための補助金などの申請にも関わることもできます。
本当に事業承継について様々なことができます。

ふのう中小企業診断士事業所の決意

私の中小企業診断士を目指した理由の一つに、小学生~中学生の頃に何度も通った商店街がシャッター通りになってしまったことに関する痛みというものもあります。
事業承継をできないで、商店街、市町村、地域、国が衰退しているのに自分ができることをしないのはどうか、という思いがあります。
また、当事業所の経営理念は「三方よしの企業を増やす」です。
事業承継への関与は、この理念からも離れていません。

事業の将来をどう描くのかは、支援先だけでなく、当事業所にとっても悩ましい問題でした。
何度も事業承継に関する仕事をさせて頂きましたが、この分野への集中については、なかなか決め切れませんでした。
中小企業診断士はできることが多く、アレもコレも手に付けてしまうという八方美人的な考えに、これまでずっと陥ってきていました。
しかし、最近ようやく覚悟が決まりました。

今後は、当事業所は事業承継に注力し、事業の柱のひとつにしていきます
当事業所が事業承継に関わることで、支援先様の事業延命だけでなく、事業の発展に寄与していきます
そして当社が関わることで、当社の経営理念である「三方よしの企業」を支援先様に実現していただきます

皆様、よろしくお願いいたします。

(中小企業診断士 布能弘一)

事業承継問題と当事業所の決意” に対して1件のコメントがあります。

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