スマホがIoTを加速させている

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IoT(Internet of Things、モノのインターネット)というと最近の技術だと思いがちですが、実は30年以上も前に概念が存在していました。
しかし環境が整ったのは、ごく最近であり、スマートフォンが登場が契機だったといわれます。

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IoTの概念はTRONプロジェクト(1984)まで遡れる

IoTは、ユビキタスネットワークの後継だといわれています。
ユビキタスネットワークは、1999年頃に野村総合研究所が唱えた「ユビキタス社会」の一部で「あらゆるところ、いたるところで利用可能なコンピュータネットワーク」という概念だといわれています。

その「ユビキタスネットワーク」をさらに遡ると「ユビキタスコンピューティング」という単語がヒットします。
ユビキタスコンピューティングは、1991年にマーク・ワイザーが唱えた「コンピュータがいたる所に存在し、いつでもどこでも使える状態」という概念です。

しかし、その数年前の1984年、坂村健のTRONプロジェクトでは、「あらゆるものにコンピュータを」と提唱し、その概念として「どこでもコンピュータ」やユビキタスという言葉を使っています。

P.S.
余談ですが、TRONプロジェクトの一つでパソコン向けのOSであるBTRONは、当時のアメリカのMS-DOS(マイクロソフトのWindowsの前身)と日米間で通商問題を発生させ、結局、MS-DOSが勝利したという歴史があります。もしBTRONが勝利していたとしたのならば、現在のパソコンはWindowsはなく、BTRONの後継OSだったかもしれません。

ハードやクラウドなどの関連技術の革新

1990年代に発生したIT革命は、その後、あらゆる技術の発展に寄与し続けています。

例えば、通信技術としては、無線のWi-Fiや、Bluetoothなどです。
他にもハード面では、光学センサー・音センサーなどのセンサーの高性能化・小型化・低価格化や、電池の小型化・充電量の増大などの技術革新もあります。

また、Webアプリケーションが、クラウドサービスへと進化したのも大きな要因だと思います。
いまではインターネットで受けることのできる各種サービスの殆どはクラウドサービスとなっています。
Amazon・楽天・ビックカメラなどのショッピングサイト、GmailやYahooメールなどのWebメール、GoogleマップやYahooマップ等のマップ、DropboxやGoogleDriveなどのWebストレージ、GoogleDocsやOffice Onlineなどのドキュメントサービス、freee や MFクラウド会計などの会計ソフトなどがありますが、これらは皆クラウドサービスです。

クラウドを大きく発展させたのは、複数のリアルなコンピュータを仮想的なコンピューター1つとみなす分散コンピューティングと、1つのリアルなコンピュータを複数の仮想コンピューターにみなす仮想化技術の発展があったからだと思います。
この2つの技術を組み合わせることで、例えば10台のリアルコンピューターを100台の仮想コンピューターに見なすことができるようになります。1つのリアルコンピュータが壊れても9つのリアルコンピューターが肩代わりすることで障害に強くなります。さらに、サーバーコンピューター1台に1つのサービスだけを搭載すると、サーバーコンピューターに余力ができてしまいますが、複数のリアルコンピューターを連動させ、かつリソースを柔軟に配分できれば、1台当たりのリアルコンピューターの利用効率が高まります。
これらの技術により、サーバーコンピューターは「高価な所有から安価に借りる」という考え方に代わってきています。

また、これらの仕組みを個別企業が用意するのは難しいですが、Amazon社のAWSや、マイクロソフト社のAzureなどの開発プラットフォームが提供されており、クラウド上での開発が非常に楽になっています。

スマートフォンの登場

スマートフォンの普及のキッカケとなったのは、2007年に初代iPhoneです。
しかし、iPhoneが発表された当時、タブレット端末は珍しい話ではありませんでした。この何年も前にも技術系の展示会ではタブレット端末が出展されており、「またか」という感じも受けました。
ところが、この数年後に発売された、Android端末を含めスマートフォンは、あっという間に世界中に広がりました。

スマートフォンには、インターネットやローカルネットワークに繋げたり、BluetoothやWi-Fiなどの無線通信が充実しています。さらに、光学センサー、磁気センサー、加速度センサーなどの各種センサーも内包しています。前述の関連技術の技術革新に加え、多くの人が携帯するスマートフォンの登場により、一般消費者向けのIoTの土壌が整備されてきたといえます。

これを読んでいる皆さんはスマートフォンを使って、地図やGPSを介して目的地までの道筋を案内させる、万歩計やランニングの走った距離をクラウドに送信してFacebook投稿する、車や家のドアの開け閉めする、などをしていると思います。更には、スマートフォン経由で、緊急地震速報を受信した事もあると思います。
これらは、すべてIoTの一端です。

ドローンとスマートフォンの相似性

IoTデバイスとして、一般消費者向けで有名なのはスマートフォンですが、ビジネス向けで有名なのは無人航空機のドローンです。
Amazon社がドローンを使った配送実験を行っているのは、有名な話ですよね。
他にも、災害地などの空撮にもドローンは使われていますね。

一見、スマートフォンとドローンは別のものに見えますが、GPSや、加速度センサー、カメラなどを搭載していたり、インターネット接続ができるなど、やれることは似通っています。
このため使われている部品も、スマートフォンとドローンは似通っています。
ドローン市場で大手ドローンメーカーのDJIが発展した理由の一つは、同じ地域でスマートフォンの製造が行われていたからだといわれることもあります。

 

 

 

この記事を読んでいる方の多くは、スマートフォンをお持ちだと思います。
手元にあるスマートフォンが、IoTを加速させている要因だと思うと、難解に感じるIoTも少しだけ身近に感じませんか?

(中小企業診断士 布能弘一)

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