自身の情報発信と守秘義務について考える

こんにちは、中小企業診断士の布能です。

現職の、中小企業診断士としての経営コンサルタント業は、強く守秘義務が求められる業種の1つです。また、前職のIT系(システム・エンジニアなど)も受注先のもつ顧客情報を取り扱うこともあり、守秘義務の同意書などを書くことが求められました。

前職のIT系の頃は全くと言っていいほど、顧客情報は外に出しませんでした。一方で、仕事先から100メートルを超えてとった写真(食事や公園の風景など)には、あまり気に留めず情報をしていた気がします。また、「どこの駅で働いている」とか「仕事でどこに行った」などの発信は、それほど気にしていませんでした。

一方で、現職の経営コンサルタントになってからは、主要な顧客情報を外に出さないのは同じですが、プロモーションとして、診断先の職種や業務の概要、相手が特定できない程度に情報発信することにしました。また、地域情報の発信は控えるようにしました。不用意な地域の発信を控えるため、GPS機能は必要な時以外は切るなどの対策もしていますし。これとは別に、仕事とは直接関係のない、研究会などの内容については、積極的に発信するようにしました。研究会については、事後的なものとはいえ、プロモーションを肩代わりしている、とも考えています。もちろん、どの情報発信でも、詳細は発信しないようにしています。

近年の中小企業白書は、毎年のように「中小企業はIT活用が進んでいない」と記載されています。しかし、インターネットでの情報収集されていない方はごく少数だと思われます。そんな中でも、情報発信のトップツールともいえるホームページを使っている企業では、広報などに期待して情報発信をしています。いまや外出すれば、スマートフォンでインターネット検索をしていない人に出会わない日はない時代です。企業間競争を考えると、情報発信をしないのは不利な状況だと感じます。そして、経営コンサルタントの方は、プロモーション活動に触れると、必ずHPの有無や内容を確認します。

上記の「第2-1-44 図」~「第2-1-46 図」は中小企業白書2015年度版から参照しています。

中小企業白書2015 – 第4節 IT、外部資源、デザインを活用したイノベーションと販路開拓
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H27/h27/html/b2_1_4_1.html

 

突き詰めてしまえばプロモーション活動のうち、実績などは顧客情報に触れない程度での情報発信が求められます。できれば、顧客の声や、業務内容もあると説得力が増すのですが、これはお客さんの許可がある場合に限られます。特段の守秘義務を結んでいない場合、私は「顧客が特定される、顧客の持つデータに触れない」と割り切っているつもりですが、線引きが難しいとも感じます。私以外の情報発信をされている方をみると、守秘義務と情報発信の境目には、皆さん苦労されているように見えます。そういう私も情報発信をする際には、毎回のように「この情報は流していいのか?」と考えながら、守秘義務と情報発信の挟間で戦う、今日この頃です。

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