「経営判断を指示して」は受けません

経営支援していると、ときどき「指示してほしい」という話をされることがあります。
これが専門家に頼ったほうが効率的なケースであれば良いのですが、「経営理念」や「誰に何をどのように提供する」「顧客への価値提供」といった事業の根本部分に近い部分を、経営者自らが考えずに指示してほしいと言われると違和感を覚えます。
ハッキリ言って経営の放棄だと考えています。

プロジェクトで、いずれ事業の根幹を明確化しなくては、先に進まない状況に遭遇することが想定される場合には、その数回前の打合せから、強く言わなくても、何度でも言います。
これが嫌がられることもあります。
ですが、私自身は、事業の根幹に近い部分程、経営者自身が頭をひねくり回して、脳みそに汗をかき、自ら解答を出さない限り、やる気も出ず、中途半端で脱落してしまうと考えています。
私は経営者に向き合う際には真剣にお付き合いをしているつもりですが、私自身は支援企業を経営しているわけではないので、歯がゆくても、あれやれこれやれ指示は出しません。
頭をひねくり回さなければならない支援先の経営者にとっても辛くて逃げたいことかもしれませんが、それを粘り強く訴える私も辛い立場だったりします。
ときには感情的になる場面もあります。
でも妥協はしません。
私は、支援先の太鼓持ちでもなければ、経営者の上役でもなく、支援先の企業がより良い方向に向かってもらいたいので、妥協しません。
もし妥協した結果、「うまくいかないのはコンサルのせいだ」といわれるのは、コンサル業としての本末転倒です。
※ 世の中には、プロジェクト失敗を押し付ける役を作るため、コンサルを雇う場合もあるようですが…。

ただ、どうしても差し迫るとサンプルを提供しますが、私自身が指示することはありません。

難儀な性格ですが、自分の筋を通さないと、私自身のコンサル事業としての事業理念にも、支援先の経営者としての成長にも失礼なことので…。

(中小企業診断士 布能弘一)

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