三方よしを目指す

私も参加した創業塾(最終回)において、事務局からの一言というセッションがあり、そこで受講生に向けて「事業を運営する際には『三方よし』を目指してほしい」と話しました。
「三方よし」は、私にとって、事業の経営理念にも入れるぐらい、大切かつ重要なキーワードです。

近江商人 – Wikipedia

三方よし「売り手よし、買い手よし、世間よし」

売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心の底から満足し、さらに商いを通じて地域社会の発展や福利の増進に貢献しなければならない。

 

本来の意味と異なるかもしれませんが、私は三方よしを以下のように解釈しています。

  • 顧客(買い手)が、自社(売り手)の製品・サービスを喜んで買う。
  • 自社の営利活動を通じて、従業員、仕入先、地域の住民、地域の行政などのステークホルダー(世間)にも益がある。
  • その結果、自社が気分よく儲け、発展する。
  • 自社が儲け、発展することで、債権者、株主などのステークホルダー(世間)にも喜んでもらう。
  • 自社が発展することで、更に、顧客が…。

という正のスパイラルである。

かつ

売り手・買い手・世間の距離が正三角形となる状態

 

さて、最近、気になることがあります。
それは「目標〇〇円を達成するために、△△を行う」という風潮があることです。
もちろん経営計画などを作る際に「目標〇〇円」というの目標値を立てることは間違ってはいません。目標がなければ、実現が限りなく難しくなるのですから…。
また、「自社の目標の達成 = 顧客の喜び = 世間への貢献」という均衡バランスが取れているときも問題はありません
しかし、目標を達成するために顧客あるいは世間を軽視している」または不均衡なバランスになっている」だと感じるときは、何かおかしいと感じます。
悲しいことに私の周りにも、そういった人がいると感じる時もあります。(勘違いであってほしいですが…)

逆に、自己犠牲の高い企業の場合には
「売り手 < 買い手」、「売り手 < 世間」
という、いびつな関係になっていることもあります。

一時を謳歌した企業が不祥事を起こすときや、経済が不調なときには、「自社都合」や「世間を無視した経営」など、三方よしの精神から離れた結果であると感じるときがあります。
もちろん、理想論で突き進めない現実に直面することもあれば、理想論通りにできない状況にあることもあります。
それでも、三方よしの精神を大きく外れた風潮がでてくると、どこかで事業や経済が崩れると感じています。

「三方よし」の精神を守り切るのはとても難しいかもしれません。
それでも、この言葉を心に、事業を運営していきたいですね。

(中小企業診断士 布能弘一)

三方よしを目指す” に対して1件のコメントがあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください